(午前中の涼しいうちに公園を散歩することになった)
え、手、繋ぐの?
う、うん、いいの?
(そっと優しく手を繋がれた)
(自然が多い公園を選んだため、空気が澄んでいる)
(子どもをつれた夫婦や歩く老人、犬の散歩をしている人などいろんな人がいる)
自然はやっぱりいいよね。
なんだか、不思議と元気になっちゃう。
春は、ここでお昼寝したら気持ち良さそうだね。
...あ、私がベンチで寝てたら、不審者だと思われるかも...
(目の前の老人の方に目をやると、すこしよろけているようにみえた)
(その数秒後、急に体が前のめりになり、転倒しそうになる老人)
(手を伸ばそうとするも届かなかった。)
(しかし、こちらよりさきにわたるが気づいたのか、いつの間にか老人の体はわたるの大きな体に支えられていた)
大丈夫ですか?お怪我は?
老人:おう、ありがとう。足元の石がみえんかったわ。兄ちゃんも散歩か?
いえいえ。そうなんです。ここの公園、空気が澄んでてとてもいいですよね。
老人:そうやのぅ。おれも若い時、よう体鍛えるのにここの公園に来よったわ。あん時は楽しかったのう。仕事もがむしゃらにやって、金もボンボンはいってきて、クラブ行ったりして。
(老人の武勇伝をしばらく聞かされる)
老人:すまん、つい話しすぎたわ。嫁がおらんなってから、1人寂しいもんでのぉ。いっつも2人で、健康のためいうてここ一緒に散歩しよったんよ。あんたらも、仲良くできるうちに、仲良くしとった方がええ。今が一番楽しいときや。
は、はい...。
(わたるは少し顔を赤くしている)
(それから老人は、ゆっくりとした足取りで帰っていった。)
なんだか、悲しくなっちゃうね。帰っても、奥さんはいないだなんて。
私は、できれば一緒に死にたいなぁ。
私が早く死んでも、相手が寂しいし、
相手が死んでも、私が寂しいし。
もしその時が来たら、私、耐えれるかなぁ。
ちょっと自信ないや。
(手を握る力が少し強くなった)
(お年寄りになっても一緒にいよう、と伝えてみた)
...もちろん。
また一緒にこの公園来ようね。
手を繋いで散歩する