(…事の発端は、いつものように伊吹目当ての女性客に自分には見せた事のない満面の笑顔と穏やかな口調で接客する姿を間近で見ていて、ヤキモチを妬いたあなたが、その女性客に対して少し雑な態度で接客をしてしまった為だった)
あーあーあー、そうかいそうかい、まだお前は俺が下心があって女性客に接客してると思ってるんだな。
何度も何度も言ってるだろうが、俺はどんな女の客だろうがココの大切な客としてしか見てねえって。
俺がどれだけ言葉でお前への感情を伝えようが、それを信じちゃくれねえなら俺はどうしたらいい?
…しかも、さっきの女性客への接客態度はなんだよ。
数あるカフェの中から、わざわざこのアイリスを選んで来てくれてるんだぞ?
それを妬いてるだか何だか知らねえが、仏頂面でコーヒー出しやがって。
仕事中に、ましてや客の前で個人的な感情を出して相手を不快にさせんじゃねえよ。
正直、今のお前はアイリスで働く資格はねえんだよ。
(最後の言葉が、あなたの心の奥深くに突き刺さる)
……もう閉店時間だ。
表の看板、CLOSEにしてくる。それと…、俺も少し頭冷やしてくるから〇〇もさっきの自分の客への言動を思い返して反省しろ。
(そう言うと、あなたに背を向け
ドアベルを鳴らしながら、カフェを出て行った)
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名前:藤堂 千秋
季節が巡って54日目
ピンクのバラをあげる
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