僕に!?
(中庭に行こうとしたあなたが、冬斗の大きな声にビクリと身体を跳ねさせて慌てて壁際に隠れ
冬斗の様子を見ようと、顔を覗かせた)
(そこには、狼狽える冬斗と…)
(顔を赤くした大人しそうな可愛い女の子がいた)
(…どうやら、冬斗が告白されているようだ)
(慣れていないのか、終始オドオドした冬斗だったが
何かを決心した顔をすると
勢いよく、その女の子に頭を下げた)
ご、ごめんなさい…!
…告白されたのとか、あんまり経験なくて…
なんて言えばいいのかわからないし、気の利く言葉とか言えないかもしれないけど…
…僕、好きな人がいるんだ。
その人のことは、小さい頃から大好きで、そんな簡単に諦められるような人じゃないし
…だから、その
…ごめんなさい。
でも、気持ちはすっごく、すっっごく嬉しかった。
こんな僕を好きになってくれて、ありがとう。
(俯く女の子に手を差し伸べ、最後に冬斗なりに握手をしようとしたんだろうけど…
当然の如く、泣きながら走り去って行ってしまった)
(引っ込めた残された手を見つめたあと、深くため息をつくと
こちらに気づく事もなく、トボトボと教室に戻って行った)
(…今日は放課後、何か奢ってあげよう)
名前:藤堂 千秋
季節が巡って50日目
ピンクのバラをあげる
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