……。
(あなたの質問にピクリと反応し、手に持っていたグラスに入ったお酒をグイッと飲み干した)
…俺は、同年代のやつらの中でもずば抜けてセンスがあったらしくてな。
上官たちにも気に入られてた。
その逆で、同年代のやつらからは疎まれてたけどな。
自分の才能に気付いていた俺は…、同年代のやつらに対して
俺に嫉妬すんならもっと努力しろよ、とか、才能ねえのに自衛隊入んなよ、とか
まあ、その時は相当の天狗になってたわけだ。
でも、隊の訓練中に、自分の才能を買い被ってた俺はある事故を起こした。
…その時、俺を庇って怪我したのが
さっきまで飲んでた自衛隊の時の元同僚だ。
足に大怪我を負ってな。
自衛隊を続けるのは厳しいとまで医者に言われたんだが、地獄のリハビリで今も自衛隊を続けてるそうだ。
…俺は、その時に自衛隊を辞めた。
あいつを怪我させて、ハンデを背負わせちまったのは他でもねえ、俺のせいだ。
…きっと、あいつは怪我さえしなかったら今頃もっと上に上がれてたと思う。
…謝っても謝りきれねえよ。
名前:藤堂 千秋
季節が巡って50日目
ピンクのバラをあげる
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