(他の話はそっちのけで、春樹の話ばかりしてみた)
(すると、明らかに表情が強ばり始めたのがわかり、大丈夫?と顔を覗き込むと
ずっと黙っていた楓が、ようやく口を開いた)
さっきから春樹春樹うっせえな…、そんなに春樹が好きならアイツの所に行けばいいだろ?
なんでこんな所でオレと話してんだよ。
意味わかんねえ…、それともわざわざそれを話にオレを呼び出したのかよ? ふざけんな、オレだってそんな暇じゃねえんだよ。
つーか、アイツのどこがそんなにいいんだよ。
オレより喧嘩強いからか? それとも、オレよりも素直で思った感情をぶつけてくれるからか?
オレだってな、オレだって…アイツを羨ましいって思ったことなんか何回もあるんだよ!
クソ、オレだって…本当はアンタを好きだって素直に言いてえよ…
(今までで聞いた事のない冷たい声と辛そうな表情で捲し上げられ、呆然とするあなたに
ハッとした顔をすると「今日は帰るわ」と一言言い、そのまま早足で去ってしまった…)
(あまりにも早口で捲し上げられたせいで、最後の言葉は聞き取れなかったが
その後、楓からの慌てた謝罪の電話と共にまた会う約束をした)
名前:藤堂 千秋
季節が巡って54日目
ピンクのバラをあげる
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