(集合。朝の始発から乗るという事で、五時よりも早く起きるので、沙羅は平気そうだが、デートの相手は眠気からか疲弊していた。
しかし、沙羅の恋人になれるチャンスを見過ごさない相手は、頑張って笑顔を作っているように思える。
電車内では、お話をしないようにと無限の時間が続く。相手はもう疲れているのか沙羅に軽くもたれて寝ている。
沙羅は小説を読みながら、時偶にそんな相手を微笑んで見つめている。
目的の駅に着いた時には二人とも起きていた。駅近くの水族館なので、軽く歩いただけで目的地だ。
開場前は二人とも仲よさそうに話している。ただし、相手はもう疲れているように見えたが。
そして、開園が始まると、二人はまず大きな水槽エリアに行く事にしたそうだ。
相手は水槽を沙羅と話しながら、楽しそうに見ているが、流石に十分近くになると飽きてきたのか、他の水槽に行こうと言い出す。
沙羅はあともう少しと言いながら、中々離れそうにない。
やっと、離れた後は。相手はもうデートを後悔しているようだ。
続いては、イルカショーという事で、相手もテンションは上がっているように見えるが、限界に見えた。
三十分前じゃないと、いい席は取れないという沙羅に対して、相手はぎりぎりの時間で充分だと言うので、折れた沙羅は適当に近くの水槽を見る。
イルカショーぎりぎりの時間に到着したの為に、座れる席はなさそうなので、立って見るという沙羅に対して、
くたくたになっている相手は、思った以上に込んでいると思ったのか、イルカショーを離れて違う場所を見たいと言ったが、今度は沙羅は折れなかった。
ここで相手はデートの解散を宣言して沙羅のから離れる。
沙羅は「またやってしまった」という表情をするかのように悲しい表情をした)
デートを尾行する