あなたはすれちがう瞬間、目撃し理解した。沙羅の袖の秘密を！

袖の中はただの暗い闇の中ではない！
動いていた！高速であなたを捕食しようと動いていた！
宇宙の光一つも残さぬように微小な　
しかも大らかな闇が袖の中の部分を滑るように走っていたのだ！

この一個一個が複雑な闇の反射をし、沙羅の袖があたかも光を取り込むように見えたのを理解した！！

そして…。

「――あなたは――

　2度と地球へは戻れなかった…。

　水族館と袖の中間の生命体となり

　永遠に袖空間をさまようのだ。

　そして 死にたいと思っても死ねないので

　――そのうちあなたは 考えるのをやめた。」