──失礼。どうやら僕は来てはいけないときに来てしまったようだ。


(身を翻して去っていこうとするアズール先輩の制服の裾を引っ張る。数分ほどそうしていると、深くため息を吐く声がしてそっと私の隣に腰かけた。)


貴女も変な人ですね。泣いているところなんてわざわざ見られたくも聞かれたくもないでしょうに。
言っておきますけど、僕は慰めませんよ。ただここにいるだけです。
今放っておいたら、次に現れた男に誑かされてしまいそうなので。弱っているところに付け込むのは定石ですからね。