(ゴーストが変な顔をしながら談話室を指差して消えていったことを不思議に思いながら扉を押し開くと、そこには数日見ていなかった姿があった。びっくりしすぎて持っていた鞄を床に落とすと、アズール先輩はゆっくりと振り向いた。)
お邪魔しています。ずいぶんと遅いお帰りですね。
こんなに待たされるなら仕事を片してくるんだった。…どうしました?
僕がここにいることがそんなに不思議ですか。貴女が合鍵を寄越してきたのにおかしな話だ。
…貴女に無視されていた数日間、考えてみました。なにか仕出かしてしまったのか、とね。
なにも思い至りませんでした。当然ですよ。いつも通り話していたんですから。
予兆もなにもなかったでしょう。だから貴女に直接聞きにきたんです。
言っておきますけど、納得のいく理由を聞くまでは帰りませんよ。これだけのために、僕はそれなりの痛手を負っていますからね。
今日は泊まっていくつもりで来たので、絶対に逃がしません。
無視2