──はじめてじゃないですか?貴女が泣きながらモストロ・ラウンジを訪ねてくるなんて。
フロイドがいきなりVIPルームに押し込んできたときは驚きましたよ。自分が泣かせたのに僕に後処理をさせるのかと思いましたが、どうやら違うようで。
ああ、そんなに押し殺さないで。過呼吸を起こしてしまいますよ。
(嗚咽を漏らす貴女の隣に腰かけ、背中を擦りながら静かな声で促す。)
無理に止めようとせずに出し切ってしまいなさい。どうせここには僕しかいません。
そう。その調子です。我慢は体によくありません。
この様子だとすぐには落ち着きませんね。今日はずらせる予定しか入っていなくてよかった。
泣きつく