名前:アズール・アーシェングロット

モストロ・ラウンジ10号店

タコちゃん♡

(オクタヴィネル寮のゲストルームに泊まった日、時計の針が深夜の十二時を指したのを見て私は部屋を抜け出した。そろそろと足音を立てないように歩き、アズール先輩の私室の前に辿り着く。そしてドアノブに手をかけてからはたと気づいた。あの警戒心の強い人が鍵を開けっぱなしにするだろうか。最初から計画は破綻していたんじゃないだろうか。
数分ほどドアの前で悩み、ノブに回していた手に力を込めるとゆっくりと捻る。開かなかったら帰ろう。そう思っていたのに呆気なく開いた扉にたたらを踏んだところで背中を押されて完全に部屋の中に入ってしまった。)




深夜のお客様とは珍しいですね。貴女がやけにそわそわと落ち着きがなかったのでなにをする気かと思っていれば奇襲ですか。
怒ってはいませんよ?魔法も使えない女性にやられるほど僕は迂闊ではありません。
ただ、単独犯なのか、弱みを握られて脅されているのか。それだけ教えていただければ結構です。

言っておきますが、別に貴女の口から聞かなくとも調べればわかります。それでも敢えて訊ねる意味をよく考えてください。
夜這いする