(愛は目を閉じたまま動かない)



「これでその種族が一時的に愛の身に宿ったことになる。突如宿った力を全身に満たすため、今は少々意識を失っている。じきに目を覚ますから心配無用だ」


「その種族になるにあたって属性値が足りていない場合、種族の力はあくまで一時的だ。本当にその身にその種族が宿ったわけではない。何らかのきっかけで妖魔に戻ってしまうこともあるだろう」


「そうだな……。特にほかの堕天メン……愛本来の堕天の乙女のもとにいる堕天メンと関わると妖魔に戻るだろう。今の愛より断然強い魔力を保持しているからな」


「その種族が気に入ったなら、属性値を上げて、愛を本当にその種族にしてやることだ」


「ふん! 今年はまだ始まったばかりだ。来年までに愛を好みの堕天メンに育て上げるんだな、あなた!」


(桃華ちゃんはそう言い残すと、現れた時と同じようにぱっと消えてしまった)

(愛と二人、残される)

(愛はどうなっているのだろう……?)

(何はともあれ、楽しい一年になりそうな予感がした)



2025年もどうぞよろしくお願いします。
2025正月5