ほう?
あなたは私にお年玉を献上するつもりか……。



「王を満足させられるお年玉を用意できるんだろうな? 半端なものを出したらこの家もあなたも全て破壊してやるぞ」


「そ、それはやめてください……! あなたが困ってしまいます……! ……僕も……」


「ふん……。あなたもその所有物も、わざわざ破壊する価値などない……」


(桃華ちゃんから絵馬をもらった)



「去年に引き続きおみくじというのも芸がないからな。今年はもっとストレートに絵馬だ」


「絵馬……?」


「一年以上人間界にいて、正月もこれで二回目だというのに絵馬も知らんのか! あなたはちゃんと愛に尽くしているのか!?」


「す、すみません……! あなたは忙しくて……。僕の勉強不足で……」


「そ、その……。桃華ちゃん、絵馬について、教えてくれませんか……?」


「……仕方あるまい」


「しかし、なりたちから話すとなると長くなる。それほどの説明を王にさせるなど。あとで頭にでも聞くといい」


「端的に言えば、絵馬とは祈願のためのアイテムだ。絵馬に願いごとを書くことで、それが叶うとされる」


「そうなんですか! すごいです!」


「去年もすごかったですが、今年もすごいお年玉なんですね……!」


「……ただ、本来祈願するのは神……」


「それは神ではなく、私に祈願するための絵馬だ」


「そうなんですか?」


「あなたが希望する愛の種族を絵馬に記せ」


「愛の種族を変えてやろう」


「!」


「属性値は変わらん。だから、戻したければすぐ戻せばいい」


「渡せる絵馬はそれ一つだ。心して書くがいい」


(……唐突すぎる)

(それでも書くなら……)



2025正月3b