え……? ヒュドラ……?

「あ……、ああ、愛の種族の参考にしたいんだよね! う、うん、ボクで参考になるなら……」

「でも、あんまりいい種族じゃないかもよ……? クズ種族だよ、ヒュドラなんて……」

「うん……、わざわざヒュドラを選ぶとしたら、あなたはなかなか変わっていると思うよ。……愛としては嬉しいかもしれないけれど」

「う、うーん……。反面教師みたいな感じにはなるのかな……?」

「……一応、俺の裏種族はヒュドラがあるよ」

「俺の場合、口調はヒュドラが近いかもね……。あと、下忍と妖魔とフルーレティ混ざって、今の俺になってるわけだけど……」

「超絶ネガティブで痛みも歓迎するところが、その趣味の乙女に大人気!」

「い、痛いことが好きなわけじゃないよ……?」

「あ……、でも、自分の乙女にされるなら、それは幸せなことだって思うけど……」

「……って、ボクの自分語りなんか聞きたくないよね、ごめん……」

「お詫びと言ってはなんだけど……、今日のお礼に、これあげるよ」
(グロスをもらった)

「二人がこれからも仲良くいられるように……」

「……あっ!? な、なんかよくないことが起きる前提みたいな言い方しちゃったかも……!?」

「でも、本当に……、堕天の乙女とこうしていられる幸せを噛みしめるほど、捨てられた時のことを考えちゃうんだ……。ボクみたいなドクズなんて、捨てられるのが当たり前だろうから……」

「そろそろやめようか」

「そ、そうだね、これじゃ愛くんやあなたさんまで暗くなっちゃうよ」

「ま……、これが、ヒュドラのサンプルってことで」

「今日はほんと、来てくれてありがとうございました!」

「二人がまた来る時には、ヒュドラな頭さんでなくなってるから」
(半ば追い出されるように、その場を後にした)
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