(頭が作ったケーキは、やはり美味しかった)

「来年はベルゼブブで過ごす予約か~」

「そうなっちゃいましたね? もちろん、ご指示があればそちらに従いますが……」

「……あ。種族も、今までに誕生日を過ごした種族と変えるつもりだったのが変えていませんでしたね」

「そうなの? じゃあ実は聖バフォでしたってことでいいんじゃない?」

「そ、それはさすがに適当すぎやしませんか?」

「思えば、聖バフォメットとオリエンスを同時に持つ堕天メンも多かったですが……、うちは同時には出すことは少なかったですね」

「タダシが常に聖バフォ持ってたしね……。あと、確かに聖バフォとオリエンスは似てるけど、個人的には別物だって実感あったしねぇ」

「今地味に聖バフォにするとどうなるの?」

「え、ええ……、タダシ様がリクエストするのですか?」

「しかし、確かに聖バフォメットとオリエンスは似ております……。何かしら目視できる要素がなければ、普通の人間には見抜くことも難しいのではないでしょうか」

「聖バフォメットとオリエンス……、必要なのは、主に星と魔の属性ですが、強くするのがそれぞれ異なる属性というのは面白いものですね」

「どちらも、今の愛様ではまだ難しいでしょうか」

「はい……」

「落ち込まなくても大丈夫……。愛様もあなた様も頑張れば、必ずや聖バフォメット、オリエンスを取得できます」

「私たちも、できる限り手助けしたいと思っていますから」

「そういえば、聖バフォメットは星の属性が強いけど、オリエンスは魔の属性が強いよね……」

「バフォメットが月の属性強いんだから、聖バフォメットはその逆なだけじゃないの?」

「ものすごい身もふたもないこと言ってそうだなこのひと……」

「確かに、聖バフォメットは、オリエンスというよりバフォメットの対と言った方が的確なのやもしれません……」

「魔の属性は、その身に神秘性を宿します」

「魔と相反する属性は聖……。聖バフォメットには聖の属性は必要ではありませんが、聖の力を秘めています」

「聖属性は、潔白ですね」

「聖バフォメットは、バフォメットの闇を魔界へ置いてきた種族」

「……人間界では、乙女の前では潔白でも、闇を持っていたことは変えられません。だからこそ、聖属性がなくても聖バフォメットに変異できるのです」

「…………、?」

「星と月は?」

「星と月は……、わかりやすく言うなら、よく人間界のゲームにある“光”と“闇”ですね」

「……堕天使の属性が強く出るのが月で、天使の属性が強く出るのが星です」

「といっても、我々は悪魔です。堕天使は、天使ではありません。……どんなにあがいても、天使と同属性の光は持ち合わせないのです」

「なるほど?」

「悪魔である以上、本当の星はつかめぬも同然……」

「下忍は上忍になれない」


「………………」

「それを覆すのが、天と地という属性です」

「天はその名の通り天界……堕天使ではない、天使へと通じる属性」

「そして地は、天使でも堕天使でもない……人間界に在るエネルギーを強めた属性」

「……それが魔王に通じる属性なのかは不明ではありますが、少なくとも上忍には必要な属性なのではと、私は考えます」

「なるほど」

「聖、天、地、あと湖は、その属性を必要とする種族が明かされなかったのもあってみんな上げなかったからなぁ……。タダシの聖上げる時を楽しみにしてたんだけど」

「まぁね~。俺がみんなより属性値低いのは、その4属性を上げることを期待してたからだしね……」

「ついでに聞くけど、湖は?」

「湖と相反する属性である海……。海は、全ての生命の源とされますね」

「雄大な海は、全てを包む……。……柔軟性に富んでいる種族が多いですね」

「と言いましても、堕天管理局が見つけた種族では、ムルムルとインキュバスと蝶化身以外に海属性が必要な種族はありませんが」

「蝶化身は全属性必要みたいなもんだし、実質海の属性持ってるのはムルムルとインキュバスの2種族だけってことだよね。少ないよね」

「海にまつわる悪魔や魔物も多いんだけど」

「そして私は海属性全く持っていませんが……。皆様は持っているのに……。インキュバス……」

「……こほん」

「湖も、海と同じく水の力の属性ですが、湖は海よりも小さいですよね」

「海と比較すると、頑固や真面目な面を持つでしょうか」

「めっちゃ興味ある属性や……」

「まぁ、もう諦めるっきゃないけど」

「……この辺りのお話、あなた様にはしたことありませんでしたね」

「せっかくですし、ほかの属性についても聞きますか?」
聞きたい別にいい