貸してみろ。


(桃華ちゃんがひったくるようにしておみくじの紙を見る)



「ふん……、この属性グロスか」


「これは王からの施しだ! 喜ぶがいい!」


(桃華ちゃんはどこからか小さな容器を取り出し、渡してくれた)

(開けると、染料のようなものが入っている)



「やたら古めかしい口紅ね」


「魔界の辺境で入手する素材をソウルガールに錬金させた強力な口紅よ!」


「えっ……!? ほ、本当に桃華ちゃんは私の中のベルゼブブから生まれた存在なのか……?」


「な、なんかすごいキャラ来たね……」


「世界線またいでるね……」


「王たる者、ソウルガールの一人や二人仕えられて当然!」


「そもそも錬金するのってそっちじゃなくて……?」


「……よくわかりませんね。とりあえずは、あなた様と愛様に対するお年玉……という感じでしょうか」


「お年玉……?」


「新年を迎えた時、主に目上の者が目下の者に渡す金品のことです。この場合はお金とは違いますが……、それでも、感覚としてはお年玉と思います」


「そうなんですね!」


「あなた、せっかくですし……、桃華ちゃんからのお年玉、使ってみましょう!」


(えっ、ここで?)

(戸惑ったが、愛含めてみんながじっとこちらを見てくる。……使うしかないか)



口紅を使ってみる
2024正月7