(花束の形になっているお菓子をみんなで食べた)



「美味しかったです……!」


「ありがとうございます」


「愛もオリエンス取得したらこれくらい作れるよ」


「つ、作れる……のでしょうか?」


「楽しみです……! あなたのためにたくさん作りたいです!」


「……俺も壁くんもオリエンスは持ってるんだけどね」


「少なくとも俺は、あんなに綺麗で細かくて美味しいのは作れないよ」


「僕は、本気出したら作れるよー」


「……ま、出さないけど」


「思えば色んなこと頭に頼りきりな気がするなあ」


「しっかりしてよ、堕天の乙女」


「我々に精気をくださるのは、我々の堕天の乙女様しかいませんから……。主人のために動くのは当然でございます」


「主人ねぇ…………」


「不甲斐ない主人で面目ない」


「そう思うならもーちょっと努力したら?」


「まあまあ……」


「……今月後半は、鏡さんと頭さんの誕生日だねぇ……」


「鏡ん時は慎次にしとこう」


「そりゃまたケンカ売ってるようで……。まーたご馳走はないってか?」


「まぁ、堕天メンにとっては、どんな食品より乙女の精気とカラダの方がご馳走だからね」


「……!」


「……マナトくんはもう乙女の身体をいただいたんでしょう? なら私にも」


「!? べつ、別にいただきなんて!」


「……2023年9月3日、俺たちが乙女のもとに来た時、明らかに乙女の魂の香りに変化があったからね……」


「やーらしーの」


「…………わかんの?」


「わかりますよ、やはり」


「……嫌になる?」


「嫌にはなりませんが……、そうですね、それまでよりもっと求めてしまいそうになります」


「ほ、ほらそんなことよりさあ!! 来てくれたあなたさんと愛さんにおみやげ渡そうよ!!」


「明らかに話を逸らした」


「ん……まぁでも、確かにこれは俺たちの問題であって、あなたさんには関係ないしね」


「愛くんにはあなたちゃんがいるわけだし……ね」


「というわけで、はい。例によってグロスのおみやげ」


「愛くんとあなたちゃんも、ちゃんとキモチイイことしてね」


(鏡から小箱を渡される)

(愛は、どこか照れた様子で落ち着かなかった)



2024マナト誕生日9a