あ……、いらっしゃい。
(鏡がいた。ということは……)

「今日のマナちゃんは頭でした~♥ あなたちゃん正解よ~♥ も~どんだけ~♥」

「……サマエルでお願い」

「はぁーい♪」

「といっても、インキュバスがないのは寂しいというか~……」

「疎外感!」

「今日の主役はマナトだからあんまり主張しないの」

「……堕天管理局があったら、僕もマナトの姿でお祝いすることになるかな?」

「“壁”くんになって一年以上経ったしね。堕天管理局があったら、また全然違う姿になっていたかもね……」

「だね……。いいのか悪いのか……」

「今日の壁くんは“壁”くんなんですね?」

「ん……、そうだね。特に意味があるわけじゃあないと思うんだけど」

「……いやふつーに、僕もマナトの姿になっとけと言ってる?」

「いやそんなことは」

「ほんとかなあ…………」

「……俺自身は、そう俺そっくりの姿になられても祝われてる感じはしないんだけどね」

「まあまあ! 一年に一度の自分が主役の日でしょ? 楽しんでいこうよ!」

「誕生日会、始めよっか!」
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