いらっしゃいませ。ようこそいらっしゃいました、あなた様、愛様。
(頭が恭しく礼をする。ということは……)

「私は鏡でした」

「あなたちゃん、正解」

「あなた、よかったですね!」

「地味に鏡がないし左右反転してないし……」

「別に鏡がないと死ぬわけじゃないし~……、フォトコンとかではしょっちゅう外してたし、わざわざ反転もさせてなかったでしょ?」

「あんまりその辺ツッコんじゃいけなさそうな気がするぞ」

「あなた様、お時間があるならどうぞごゆっくりなさっていってくださいね」

「……堕天管理局があったら、僕もマナトの姿でお祝いすることになるかな?」

「“壁”くんになって一年以上経ったしね。堕天管理局があったら、また全然違う姿になっていたかもね……」

「だね……。いいのか悪いのか……」

「今日の壁くんは“壁”くんなんですね?」

「ん……、そうだね。特に意味があるわけじゃあないと思うんだけど」

「……いやふつーに、僕もマナトの姿になっとけと言ってる?」

「いやそんなことは」

「ほんとかなあ…………」

「……俺自身は、そう俺そっくりの姿になられても祝われてる感じはしないんだけどね」

「さて、せっかくあなた様にも来ていただいたのですから、お待たせしていてもいけませんね。誕生日会を始めましょうか」
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