
「わざわざバレンタインに来てくれてありがとうございます」

「本当はもっと余裕を持ってお呼びできればとは思ったんですが……」

「こっちにも都合ってものがあるのよね~」

「でもね、今日来てよかったわよあなた。ちゃ~んといいもの用意してあるから♥」
(頭は何かを取り出した)

「これはね~、魔力が詰まったエッセンスよ。愛ちゃんの育成に使えるわ」

「ちょっと特殊でね……、乙女……あなたの想いに共鳴して、異なる力に変わるのよ」

「早い話、あなたの好きな愛ちゃんの属性を上げられるってわけ♥」

「なかなか今は上げたい属性を集中的に上げられないからね……」

「ね? 悪い話じゃないでしょう、あなた」

「せっかくだから愛ちゃんへのチョコ作りも兼ねて、このエッセンス使ってみて♥」

「当然! チョコレート作りの材料はワタシが用意してあるからね♥」

「ワタシたち悪魔は別に人間のような食事は全然要らないけど~……。それでも、やっぱりこの季節は乙女からのチョコほしさにそわそわするものよ♥」

「愛ちゃんってまだ人間界に来て一年経ってないけど、バレンタインがどういうものか知ってんのかな。しかも日本の」

「そんなの知ってるに決まってるじゃな~い! 堕天メンっていうのはもともと人間好きな悪魔なのよ~? ある程度の人間界の行事は把握済みよ!」

「あなたもバレンタインについて愛ちゃんと話したりしてるんじゃないの?」
いや、まったく……