あっ……!
サンタさん、ありがとうございますっ!!
メリークリスマス!


(サンタは、微笑みながら溶けるようにして消えていった。……消えるものなんだろうか)



「あっ……、サンタさん、すなおくんたちには何もあげずに行ってしまいました……」


「あ、あー…………、そうだね」


「あわてんぼうのサンタクロース……なんじゃないかな?」


「自分がいい子だと信じて疑わない悪魔……」


「なんだよ! すなちゃんいい子だよ!」


「もちろんわかってるよ」


「私たちのことはどうぞ気にせず、愛様は、サンタさんの言う通り、あなた様を景色のいいところに連れていってください」


「あ……、頭……くん……」


「はい。どうかしましたか?」


「今日は素顔……なんですね……」


「!!」


「…………」


「たまには……私も黒髪メガネ男子であることを……見せておかないと……」


「私がね! 忘れちゃうからね!」


「あぁ、あと、これはうちから愛様とあなた様へのプレゼントです。ケーキを焼いたので、あとでお二人でごゆっくりお食べください。あなた様のお口に合えば良いのですが」


(いそいそと頭がケーキを運んでくる)



2023クリスマス5