
「とゆーわけで、今日は拙者の誕生日でゴザル!」

「ひーめw 鏡殿~w 両側からほっぺにちゅー^^」

「頭ちゃんの前髪だと、ちょっと邪魔じゃ……?」

「“拙者”はこの前髪に強いこだわりあるわけじゃないから、上げとくでゴザルよ? さ、ほら、拙者のほっぺ空いてますよ」

「…………わかった」


「頭、誕生日おめでとう!」

(ちゅ♡)


「……姫が二人になっちゃったでゴザル」

「鏡さん乙女にもなれちゃうの」

「そりゃ~悪魔で堕天メンだし~」

「マナちゃん私に浮気しちゃう?」

(ぎゅ)

「そっちは鏡やで」

「あのね。……魂の香りで、すぐわかるから」

「あ…………、そ、そうなのか…………」

「拙者の誕生日なのに目の前で自分の堕天の乙女と自分以外の堕天メンのイチャコラ見せつけられてるってどーなのよ……」

「何言ってるの? 私がいるじゃない♪」

「私はマナちゃんより頭ちゃん見てるよ♡」

「あ、でも……、精気はあげられないよね……」

「……さすがに拙者、どういう反応すればいいのかわからないでゴザルよ。姫は大好きだし鏡殿も大好きだけど……、鏡殿が姫の真似するのはなんか違うと思うでゴザル……」

「ご、ごめんね! 気持ち悪いよね……」

「~~~~っああもう! これどうすればいいんでゴザルか~! タダシ殿、壁殿~!」

「みんなで乱交……」

「それは全く問題の解決にならない!」

「というか、私はまだ慎次なのか? 頭くんもその姿で……」

「ま~昨日の続きでゴザルし~……?」

「今日は私が頭ちゃんの誕生日プレゼントになってあげるよ?」

「……あの。ほんと、どうすればいいんでゴザルか」

「据え膳食わぬは……」

「とにかく! ……鏡くんは、いつもの姿に戻ったらどうだ」

「でも、乙女の姿の方が頭ちゃん嬉しいでしょ? 本物の方はマナちゃんががっちりホールドしてるしさ……」

「そ、そういう鏡殿のところが好きでゴザルよ……。でも、拙者は……」

「じゃあ、今日は私、この姿でいるから!」

「…………何しても、いいんだよ…………?」

「…………ああもう! ほんと! 拙者誕生日なのに修行のような一日を過ごすことになりそうでゴザルよ!! タダシ殿! 壁殿!」

「別に難しく考えなくても。頭くんインキュバス持ってないせい? 奥手だね」

「うぅ~っ、そういうDTいじりはひどいでゴザルよ~! 拙者はタダシ殿たちと違ってぴゅあっぴゅあの無垢っ子なの! こーゆー時どういう顔すればいいのかわからないの!」


「笑えばいいと思うよ」

「ああもう変な笑いが出てきそうでゴザルよ~! 壁殿~! 慎次殿~! パパぁ~!!」

「え、ええと……、誕生日おめでとう」

「…………がんばれ」

「わああああ、見捨てられたああああ」

「うーん…………」

「どーしたの?」

「ほんとう、何をあげてお祝いすればいいのかなぁと」

「……別に、特別なことはいらないと思うよ」

「こうしてみんなで……、誕生日が祝えるってことが、大切だと思うし……」

「次はタダシさんの誕生日だよね。……その時には、片づけも終わって、愛さんとあなたさんも呼べるといいよね」

「…………うん。そうだよね」

「じゃ、片づけるぞー! 頭もオリエンスに戻った戻った」

「ふぇぇ~? え? 拙者誕生日なんですけど?」

「誕生日だからこそ、頑張るぞー!」

「むむぅ……」

「……とはいえ、私にはこちらの姿の方がしっくりくるのは確かですしね」

「はい。では、我が主人のために。片づけましょうか」

「おーっ!」

「鏡様も。……お気持ちはとても嬉しいですが、戻ってくださいませ」

「…………わかった」

「…………おめでとう」

「はい。……ありがとうございます」

「来年もまた、こうして皆様で賑やかに誕生日を祝いたいものですね」

「今度は愛ちゃんとあなたくんも一緒に……ね」