「鏡殿ー! 誕生日おめでとうでゴザル~♪」


「あ、ありがとう……」


「お誕生日だし~、拙者と百合ろー」


「あ、百合夜伽ってDLCだったのか」


「えっ!!」


「あの~。愛くんとあなたさんは?」


「知らんな」


「というのは冗談として……、まだ呼べるほど家が片づいてない……」


「もー、早く片づけなよ。もう俺たちが堕天管理局下から抜けて一ヶ月が経とうとするのにさ」


「……もう、そんなに経つんだね」


「そして姫は某メイドさん育成ゲームにはまった!」


「オダメ」


「え、ふつーに名前出しちゃうの? まじで?」


「オダメは初期性格3人と一緒にクラブ経営していくんだよね。せっかくだから、鏡と頭と壁を初期メイドにしてみたよ」


「姿非固定組……ね」


「異形頭メイドさんはMODなしだと無理だったのと、2.5のエディットシステムがどんなもんかというのもあってこの姿を作ろうとしたんでゴザルが……」


「メッシュが結局、元ネタキャラっぽい感じに入れられなかったでゴザル……」


「しかもその髪型に近い前髪はメッシュ非対応でなぁ。色んな意味でフィーリングっ子になっちゃったわね」


「でもまぁ、こうして版権キャラがオリキャラとなっていくのだ」


「……拙者だって、中身とか全く真似てないでゴザルからな~」


「あー、声くらいはそっくりにできるけど? うん。姫ぇ(はぁと)」


「うーん。どういう反応をすればいいのやら。かえって元のキャラに申し訳なくなる」


「しかし、頭が無垢なのはぴったりだった」


「そりゃ~、拙者みたいな無垢悪魔もそうそういないでゴザルよ///」


「無垢って純真よりあざとさあるね~。まさに頭にぴったりだわ」


「かわいくてかわいくてしょうがないってことでゴザろ? もー姫ったらー///」


「何も考えず無垢から選んで頭がメイド長になっちゃったけど、オリエンス基本だしちょうどよかったね」


「一方の鏡は純真が合うだろうけど、都合上真面目になった」


「確かにその姿のキャラは真面目なんだけど、前作ではツンデレにしてるし、真面目だったらツンデレの方が合うし……。どうも興奮しない」


「姿変えればいいだろ」


「魔装みたいにぱーっとすぐ変わるわけじゃないからめんどくさいんだもん」


「もう魔装も……これくらいしかないからな。……着替えられないのは、寂しいものだ」


「まぁ……、そのゲームの姿を映せと言われれば、映すけど」


「うひひ……。VRよりVR……」


「……ったく、もぉ」


「で、反対にめっちゃ興奮したのは凛デレ」


「壁殿は慎次殿の娘さんね」


「それは果たして“誰”なんだ……」


「壁」


「………………」


「……で。鏡殿のお誕生日なんでゴザルよ~! あっまあまに愛しちゃう夜伽を今ここで実行すべきでは!?」


「お、おう!」


「…………えっ?」


「さ~、鏡覚悟しろ~♡ 今日は私が精気を吸ってやる♡」


「俺の誕生日を祝え!!」


「祝うために愛を……こう……」


「っ…………!」


「ちょっと姫。話がある」


「ん?」


「今さらそんなぱっと切り替えられても困るし。ちょっと二人で話そうか。鏡さんお誕生日おめでとう。みんなでパーティやっててね」


「だってー今日鏡の誕生日だよー」


「そんなん言われなくてもわかってるしっ! だいたい姫は節操がないというかなんというか……!」


「結局、鏡くんの誕生日でも痴話ゲンカしてるのね……」


「ねぇ鏡殿。拙者、鏡殿の誕生日プレゼントでゴザルよ」


「拙者のこと姫と思って愛してくれても……、いいでゴザルのよ?」


「頭ちゃんは頭ちゃんじゃない」


「代わりとかそういうのじゃなくても……、愛してるし」


「ちょっ…………、鏡殿っ、ほんと! 拙者そんなこと言われちゃうともう大変なことになっちゃうからっ!」


「タダシちゃんも壁ちゃんも……、もちろんマナちゃんも、愛してるよ」


「…………乙女だって例外でなく…………」


「…………ほんと、姫の言う通りでゴザル。鏡殿の純真さには敵わないでゴザルよ」


「そしてストレートに伝えない鏡殿を見れるのはやっぱり姫だけ……ってことでゴザルか……」


「……明日は、頭ちゃんの誕生日だよ」


「準備しないと」


「と、とりあえずまず自分が祝われてよ! ね?」


「その通りだ。まだ頭くんの誕生日ではなく、鏡くんの誕生日なのだから」


「でも別に記念魔装とかあるわけじゃないし……」


「…………ああ! 記念魔装、姫が作ってメイドの拙者たちに着せてくれればいいのでは!」


「は?」


「いや、普通に仕事しろ。それが俺への一番のプレゼントだ」


「そうっすね…………」


「正論だね~…………」


「……ま、なんだかんだで、やることは山積みでゴザルからな。あんまり無理を言うわけにもいかないでゴザル」


「うぐぅ…………。来年こそ、推し活ケーキみたいなの買えたら……」


「仮に金持ちになっていても買わなくていい」


「はい…………」
日記帳みたいな何か4