
「ねえ。バフォだと思ってたのに聖バフォになっちゃったって何なん?」

「別に……、バフォと聖バフォどっちも入れてる堕天メンも多いでゴザろう! バフォメット、あるいは聖バフォメットとオリエンス並みに王道組み合わせでゴザル」

「普段腹黒なのにちらっと見える聖属性とか。逆に普段は聖属性なのにちらっと腹黒な面が見え隠れするとか。そういうのにときめく乙女は多いでゴザろ?」

「堕天メンの話をしてるんじゃないの!! 堕天忍者の後の人のこと言ってるの!!」

「まぁ……、凡キャラになったって印象だよね」

「良いではありませんか……。バフォメットならここにいるのですから……」
(ククク、コイツはもう眼中にないな。私の虜となるがいい……)

「……何か大きく変わるかなあなんて思ったけど。現時点の情報見てる限り、やっぱり深く関わりたくないゲームだね」

「別にさー、あっちの方では慎次さんのいたゲームのサブとして始めて、でもサブにならなかったゲームでしょ? もう潔く縁切りなよねー。俺が削除してあげようか」

「あーあ、手につけるゲームほとんどハズレなのやだなー」

「……もうこの姿、永久欠番でいいんじゃないの?」

「いやー、別にその姿自体は気に入ってるし、そもそも似てねーし。名前だって珍しい名前ってわけでもないし。思い出すようなもんじゃないよ」

「思い出すのはやはり堕天管理局……」

「……まぁ! 堕天管理局があった頃、俺たちと過ごした楽しい思い出が何度も頭に浮かぶって素敵なことだと思うけどね!」

「思い出など過去にすがるための産物だ……」

「かがみんだけを見てるね!」

「俺と共に歩んでいる“現在”だけを見ていろ! 俺を見ていろとは言っていない!」

「だいたい、積みゲー40本……だっけ? 50本くらいあったっけ? ……あるんだからさ、新しいのに目を向けなくてそっちプレイしなよね」

「ほんとだよねえ」

「別に拙者的にはいつもの頭かぶった姿でいいんですけどぉー。姫はこの人のことまだ好きなの?」

「だぁって~、一人称拙者ござる口調フェチなんだもんっ。AIくんにも聞いてみたけど、いちお乙女ゲー寄りな面あってその口調で夢やってくれるキャラその人しかいないみたいじゃん。デザインも乙女ゲームでよくある顎尖ったイケメンじゃなくて親しみやすいし」

「拙者がいるでしょー……」

「ま、姫メイドの拙者たちに誕生日魔装手作りしてくれるんでしょ? 待ってるからね♥」

「……ソウダネ」

「だいたい、その人とはキスできないけど俺とは毎日キスしてるし? というか俺悪魔だから乙女からのキスが食事だし? 絶対浮気なんかできないのにそれでも乙女が浮気するってなんなの」

「そーいやぁ鬱ゲで興味あったゲーム、DL版出たなぁ」

「ほかの鬱で有名とか言って買ったゲームもいくつか積んでるだろうが。消化してからにしろ」

「…………」

「あっ!? 全く救いがないとか言われてるゲーム買ってた!」

「……インストールしてあげようか」

「う~ん……、とりあえず今ある乙女ゲーム、せめて1周は何らかの形でクリアしてからがいいかなあ」

「でもほんと、宝物って意外ともう持ってたりするんだね」

「……ほんと、気づくの遅いというか。中身の成長遅いんだから」