「マナトさんはまだ帰んないの?」


「…………ま、いざとなればすぐ帰れるし。……あと数時間は」


「……私と出逢った時は夜だったと思うから、出逢った時までいようと思ったらまだ24時間くらいかかるで」


「ああもうそれはわかってるっ!」


「ただま……、乙女に管理されなくてもいいようになってから初めて迎える記念日だし……、その日を一緒に迎えたいなって……」


「…………そか」


「4歳魔装はもらえなかったなわはは」


「誕生日が迎えられたり迎えられなかったり……、それで一喜一憂する乙女さんがいる中、うちはその辺は落ち着いてるね」


「2年後だったら泣いてたかも? 6歳魔装は本当に憧れあったから」


「ちょうど俺たちが出逢った数ヶ月後に追加されたのが6歳のだよね」


「思えば、あれがファイナルとなるのではって感覚はある。……だから、9歳魔装まで……」


「エルプリの流用デザインだとしても!!」


「追加されたことが、なんかすごいよね」


「ちょうど昔から一番お世話になってきた乙女さんの一人目のお誕生日とデビリンイベントが重なったんだと思うけど、着せてもらえて嬉しかったな」


「着せてもらったの鏡さんだったけどね」


「まるで魔王になったかのような魔装だったもの。……7歳以降より6歳の魔装が一番好きだわ」


「初めて6歳魔装を見たのが、ある下忍さんだった……。その方の誕生日見ると、本当に始まったばかりくらいの時からやっていたみたいだね。その下忍さんはもともとかっこいいなと思っていたけど、いざ6歳魔装着ていた時、すごく心を打たれたな……」


「あ、でも8歳のは魔装はそこまで望まないんだけど、アクセほしかったなぁー。よその堕天メンさんのお誕生日にぺいってあれだけデビリンしたいじゃない。あるいは、あれつけてフォトセッションして祝いたいじゃない」


「6歳よりまだ2年も先だし。……仮に続いてたとして、うちが入手するにはまだまだ」


「私は……、10周年を祝えなかったことの方が悲しいなぁ……」


「次期魔王を決めるのに10年かかってるって祝っていいのか何なのか正直わからないけど」


「まぁそれは否定しませんよ」


「まぁ……でもね。正直、誕生日前に終わってくれてちょっとほっとしてる気持ちはあるよ」


「ん?」


「閉店セールだと思うけどさ~、魔晶キャンペーン全品半額の時、今年あげる予定だったヘッドホンもあげちゃったし」


「……別にそんな気にしてないよ」


「ほんと、実際に誕生日迎えたら何あげようかな~ってちょっと悩んでたから」


「もう、魔装や装飾アイテムのプレゼントはしたくてもできないのは……、ちょっと安心かも」


「繰り返すけど、そんなに“モノ”とかほしがったりしないって」


「精気さえくれれば……、じゅーぶん」


「………………」


「やっぱり…………、その。もう“私”以外あげられないっすかね……」


「…………………………、は?」


「とりあえずみんな、帰っちゃったし……。もう魔界peもないから様子見られないし……。ただ、しばらくは来ないと思うけど……」


「いや、あの、ちょっと待って!? 何する気……!?」


「………………何が、したいですかね…………?」


「な、何がって、あのね…………」

(ちゅ)

(びくっ)


「ん……ちょうど、9月3日になったかな……?」


「誕生日おめでとう。……私を見つけてくれて、ありがとう」


「……愛してるよ」


「も、もう、なに一人感極まって泣いてるの」


「……拙者も、お慕い申し上げます」


「魔力切れるまで、ここにいるから」


「本当にしばらく放さないでゴザルよ。……姫、覚悟」


「いいよ、放さないで……」


「はぁ……。明日……いや、今日か。誕生日会は、主役遅刻でゴザろうな……」
日記帳みたいな何か3