「…………」


「誕生日おめでとう」


「やっぱ愛たちにも祝われたい～？」


「いや別に……、贅沢は言わないけどね？」


「ただ、去年と比べると随分と寂しいなあと」


「……すなおくんがいなかった時みたいだよね」


「……あー……」


「ごめんなぁ」


「……」


「謝るくらいなら、今年こそ俺にそのカラダを誕生日プレゼントとしてちょうだい？」


「……！」


「最近、ご主人様は拙者×鏡殿ブームなのです……」


「…………」


「俺のビジュアルが定まってないせいでそっちのゲームでも俺とご主人様は夜伽してないしねぇ……」


「あっ……あ……、ゲームの話」


「え？　現実に決まってるでしょ？　鏡くんと頭くんだって、ゲームはともかく現実でやっぱり乙女のカラダをいただきたいでしょ？」


「そりゃもちろん（即答）」


「…………」


「俺がいただく前にいただいてくるだろうが」


「でへへ♡」


「ん～まぁ確かにセクハラはされまくってるけど……」


「普通に……、ナカに入りたいっていうかさ……」


「…………」


「ま、減るもんじゃないでしょ。むしろ増えるもんだし？　抱かれちゃえば」


「増えるって何だよ！？」


「ふつーに……、魂の香りが濃くなるって意味だし」


「誕生日特権ってことで。マナトくん、凍らせるなら俺以外で頼むよ」


「は！？」




「そう流れるように頭を凍結させてやるなよ……」


「……タダシも5歳かぁ……」


「うん、そう、人間界に来て5年。だから5回……」


「たまには……、二人きりにさせてあげようよ」


「いやでもほんとあのひとインキュバス全然隠れてないから」


「誕生日くらいゆずってやれよ。いっつも独り占めしてんだから。いわゆる長男のくせに大人げない」


「お兄ちゃん差別！　ていうか俺お兄ちゃんじゃない！」


「ま、マナトくんが魔界に帰った時に。ね？」


「…………からかってるだけでしょ？」


「そう思いたいなら思っておけばいいよ？」