名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~

様々な苦難があったが、なんだかんだでエデン条約当日までこぎ着ける事が出来た。
私はヒナ達よりも先に会場に到着し、軽く巡回をしている。
トリニティの警備担当地区には入らないようにしないといけないのだが。

「……迷っちゃった」

大聖堂は広い。
それに初めて来る建物という事もあり、つい観光してしまった。
幸い私は一目でゲヘナの風紀委員会とはわかりにくいので、まだ問題にはなってないのだが。
早く戻らないとまずい。

「おや、貴女は……?」

声をかけられてしまった。
恐る恐る振り向くと、シスターが立っていた。
スリットが凄いシスターが。

「わわっ、すみません!迷ってしまって……」

"カタリ。エデン条約に出席するんだね"

反射的に謝った直後、シスターの後ろから先生が現れた。

「先生、お知り合いでしょうか?」

"うん、よく手伝ってくれるんだ"

「そうなんですね。初めまして。私は若葉ヒナタです」

シスターヒナタは恭しく頭を下げる。
私も慌てて頭を下げた。

「わ、私は土御門カタリです!初めまして!」

「カタリさん、よろしくお願いします」

二コリと微笑む。
綺麗なシスターさんだ。

「えっと……ゲヘナの警備担当地区ってどちらかご存知でしょうか」

トリニティの人に聞くのも少し気が引けるが、このままうろつく訳にもいかない。
恥を忍んで聞いてみる事にした。

「それでしたら、その角を曲がって道なりに歩いていけば着きますよ」

「本当ですか!? ありがとうございます!」

嫌な顔一つせず教えてくれた。
シスターヒナタさんは優しい。

"カタリも一緒に観光する?"

「カタリさんがよければですが、ご案内いたしますよ」

「あ、いや、お誘いは嬉しいんですけど……流石にサボる訳にはいかないので!」

流石に仕事の放棄はまずい。
私も観光気分だったが、あんまり持ち場を離れると後でアコに怒られる。

「また機会があればお願いします!では!」

"頑張ってね"

「はい!」

私は走ってその場を後にする。
エデン条約が締結されたら、ヒナタさんに改めて案内お願いしてもいいのかな。
ちょっと緊張するが、後で先生にも相談してみよう。

それとアコに頼んで警備位置の地図も貰っておいた。
「なんで持ってないんですか……」と呆れ顔で言われたが、無くさないように電子ファイルでくれた。
なんだかんだ優しいのである。

各組織の幹部達も集まってきて、エデン条約締結が進んでいく。
所々で小競り合いが起きそうになっていたが、問題なく条約は締結される。
……締結される、筈だった。

鐘が鳴った日6