名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~

「テストを受けに……?」

何を言ってるんだ、というのが最初の感想。
ゲヘナでトリニティの試験をする筈が無いのに。

「うう、信じられないですよね……」

ただ彼女が嘘を言っているようにも見えない。
嘘をつくならもっとマシな嘘をつくだろう。

「……ちなみにテストを受けにきたトリニティ生は何人いるの?」

「えっと、4人です」

……報告で複数あがっていたトリニティ生の目撃証言を考えれば、嘘はなさそうだ。

「えっと……通してもらえませんか……?」

私は判断に悩んでいた。
私個人としては何か事情があると思うから通してあげたいのだが。
普通に考えれば拘束すべきだろう。

「……これ、あげる」

「これは……?」

「この辺りの地図。バレたら困るし後で処分しといて」

私はテストを受けに来たという証言を信じる事にした。
いや……というよりは、この娘達を『通さないといけない』気がしたからだ。
理由はわからない。
勘と言われても何か違う、この奇妙な感覚。
まるで、未来を識っているかのような。

「あ、ありがとうございます!」

モモフレンズ好きの娘が頭を下げる。
その後ろに隠れるように立っていた正義実現委員会の女の子も、軽く会釈した。

「早く行った方がいいよ。美食研究会がこっちに来たらその分、警備が厳しくなる」

「あ、あはは……お言葉に甘えさせて頂きます」

苦笑いを浮かべ、モモフレンズ好きの娘は走り出す。
正義実現委員会の娘もすぐ後ろについていった。

「……しかし、テストねぇ」

トリニティは何を考えてるのだろう。
テストが何かの隠語だったとしたら、私がやった事は大問題だ。
しかしエデン条約前だし、やばい事はやらかさないと信じたい。

"あれ、カタリ"

トリニティの娘達を見送ったすぐ後に、よく知った人から声がかけられた。
シャーレの先生だ。

「先生。こんな時間まで仕事ですか?」

"うん、トリニティの娘達の引率をしてて……"

「あー……ここ通りましたよ」

先生がいるなら悪い事にはならなそうだ。
私は安心した。
この先の道案内を軽くし、私は先生を見送る。

先生が去っていくのを見送った後、私は巡回に戻る事にした。
その後温泉開発部がもう一度爆破を起こし、私も結局現場に行く事になったが、まあその辺りはいつものゲヘナの日常である。

鐘が鳴った日5