名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~

ハルナ達を牢屋に送った後、私はヒナと共に歩いていた。

「カタリ、少し話したい事があるんだけどいいかしら」

「いいよー、何かな?」

そろそろ仕事も終わり帰ろうかと思った所、ヒナにそう話しかけられる。

「……私、エデン条約が締結されたら引退しようと思ってて」

「えっ!?」

予想外の言葉にビックリしてしまった。
働きすぎなヒナが引退するのは喜ばしい事ではあるんだけど。

「エデン条約が締結したら多少は治安もマシになるでしょうし……ちょっと疲れたから」

「……そっか。ヒナが決めた事ならいいと思うよ」

風紀委員会は少しヒナに頼り過ぎていたと思う。
ヒナが本当に強すぎるから。
イオリ達も優秀であるんだけど、まだまだ成長途中だし。
問題児たちのレベルが高いってのもあるんだけど。

「じゃあ私も引退しようかな~。それでヒナといっぱい遊ぼうっと」

「……そうね。ラーメンを食べにいく約束もしてた」

「うん、私が知ってる美味しいラーメン屋に連れてくからね!」

条約が締結してもすぐ引退という訳にはいかないだろう。
でも事後処理が落ち着いたらゆっくりヒナが休める環境が出来上がる。
そうしたら遊びまくって、ヒナに青春を楽しんでもらおう。

「カタリはエデン条約が締結されたらしたい事とかあるの?」

「ふふ、トリニティの娘達と友達になりたいなって」

「それは……難しそうね」

ゲヘナというだけでトリニティの娘達からは嫌われている。
この差別意識は簡単には変わらないだろう。

「でもカタリなら、出来るかもしれないわね」

ヒナが優しく微笑んだ。
中々見れない顔に、私はドキッとする。

「様々な人たちと友達になれてる貴女ならきっと、トリニティでも友達を作れると思うわ」

「えへへ、そうかな」

「ええ。もしかしたら将来はゲヘナとトリニティの友好を進めた立役者として歴史に残るかもしれないわね」

「それは流石に買い被りすぎだよ〜」

私にそこまでの力はない。
ただ今を生きているだけの普通の女子だから。

「貴女はもっと自信持っていいと思うけど」

「いや~、皆と比べたら私なんて」

ヒナもイオリもアコもチナツも、皆優秀だ。
ホシノや……ユメ先輩だって私なんかよりもよっぽど優れている。

「……カタリは優秀よ。私が保証する」

「ええっ、そうかなぁ」

ヒナが真面目な顔で言うから、なんだか照れる。
そういうお世辞を言うタイプではないから、私に気を遣ってる訳ではないと思うけど。

その後、軽く雑談した後ヒナと別れた。
エデン条約が締結したらヒナも楽になる。
しばらくは忙しいけど、頑張らないと。

鐘が鳴った日3