名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~

「エデン条約?」

「そう、私も当日会場に行くんだ」

ある日のアビドス。
私は対策委員会の所へ来ていた。

「ゲヘナとトリニティの平和条約だよね~」

「テレビでも生中継されるらしいです。という事はテレビにカタリさんが映るかもしれませんね」

「そうなの? じゃあ録画しときましょ!」

「あはは……私は会場の巡回警備する予定だから、映らないと思うけどね」

古聖堂でエデン条約の調印式が行われる。
私はゲヘナ学園の風紀委員として、会場の警備に参加する事になった。

「ん……エデン条約が結ばれるとどう変わるの?」

「今より多少はゲヘナの治安がマシになるんじゃないかなぁ」

「トリニティとゲヘナの不可侵条約ですから、少なくとも両校の揉め事は減るのではないかと」

私はざっくりとした理解しかしていない。
というより、ゲヘナの学生の大半がそうだろう。

「準備もあるし、しばらくはアビドスに来られないと思う」

「そっか〜、それはしょうがないね」

締結の日が近づく中、私だけ他校で遊び続ける訳にもいかなかった。
エデン条約締結後、ある程度落ち着くまでは活動に集中するつもりだ。

「そういえば、カタリ先輩はエデン条約についてどう思ってますか?」

「え、私?」

アヤネちゃんの問いに少し考える。
私には難しい事はよくわからないけど、この条約で争いが減るならいい事だとは思う。

「トリニティの娘達と交流するきっかけになったらいいなぁって思うかな」

「……カタリ先輩らしいといいますか、前向きですね」

「ん。カタリのそういう所良いと思う」

「うんうん。カタリさんはとてもいい人ですからね~」

アヤネちゃんは苦笑いしている。
シロコとノノミは笑顔で私の事を見ていた。

「うへ、条約締結してもそんな上手くいかないと思うけどね」

「え、仲良くするって条約なんでしょ?」

「ずっと喧嘩してる相手と急に仲良くしようって言われて出来るかって話」

「……確かに。私は無理かも」

ホシノは流石に鋭く、現実を見ている。
セリカちゃんはいつも通り可愛い。

「やってみないとわからないよ。条約締結したらトリニティの友人を作ってみせるからね!」

「お~、頑張って~」

「……あ、もうこんな時間。そろそろ帰るね!」

「はい、エデン条約の警備頑張ってください」

私は対策委員会の皆に別れを告げ、ゲヘナへと帰る。

鐘が鳴った日1