シャーレに帰還したFOX小隊は再び机を囲んで会議をしていた。
「……まさか本人と会う事になるなんて思わなかったよ」
「会話した限りではロアには見えなかったわね」
「うん、普通の生徒って感じだった」
彼女たちからしたら想定外の接触だった。
会う可能性はゼロではなかったが、まさかこんなに早く遭遇するとは。
「この後はどうするの?」
「調査は継続して進める事になる。他の噂の情報が入ったらそちらの対応を優先だ」
「カタリちゃんは特に危険じゃなさそうだからね」
「連邦生徒会長には報告するの?」
「ああ、定期的に報告する。カタリに誘われた者は何かあれば報告するように」
「了解……あれ、なんかもう連絡来てる」
四人は各自スマホを確認する。
それぞれにこれからよろしくの挨拶や、趣味などを聞くモモトークが来ていた。
「これが陽キャってやつなんだねぇ」
「いやオトギも十分陽キャでしょ」
「でもカタリちゃんって不思議だよね。すぐに仲良くなれそうというか……」
「ああ、初めて会った人って感じがなんかしないんだよね」
「……それも調査するべきだろうな」
その感覚はユキノにもあった。
彼女をすぐに友達だと感じるような感覚。
彼女がロアなのであればそれも能力なのかもしれない。
「他の噂の聞き込みは続けよう。当人以外でないと知らない事もある可能性がある」
「そうね……ちょっと気になる噂もあるし」
「もしかしてシャーレの先生に似てるって噂?」
「そう、それ。確かに雰囲気はなんとなく似てるような……」
「その噂ってエデン条約の時に流れたものだよね。避難誘導の指揮が先生のようだったって」
実際にエデン条約の時は器の中の先生と、タブレットのOSが起動したおかげで先生のような力が出せた。
カタリの力という訳ではないのだが、外部からは調べようがない。
普段のカタリは後方からの援護と指揮はするが、先生とは程遠いものだ。
「……今日はここまでにしよう」
「そうだね、もうこんな時間だし」
「明日からはカタリ本人の調査と、また他の聞き込み?」
「そうなるんじゃないかな。カタリと遊ぶの面白そ~」
この時の四人はまだ知らなかった。
カタリが思っていたよりも変な人だということを。
そして連邦生徒会長がすぐにカタリに会う約束を取り付ける事を。
第二部プロローグ〜fin〜
第二部プロローグ09