名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~

プレゼントの準備も終わり、無事に年越しを迎え、私達はアビドス高等学校に来ていた。
誕生日パーティーの準備自体は手伝えなかったのが申し訳ないが、アビドスの子達は笑顔で迎えてくれた。
アビドス生だけでなく、ヒフミちゃんと……もう一人のシロコちゃんもいる。
もう一人のシロコちゃんは、私を見たら目を逸らしたが。

全員が揃い、セリカちゃんがホシノを連れて来た。
扉を開くと同時に、皆でお祝いの言葉を言う。

『誕生日、おめでとう!!』

「うへへ、皆ありがとうね~」

ホシノは照れくさそうに笑っていた。
可愛過ぎる。

「はい、こちらがケーキです~☆」

「私もトリニティのケーキを買ってきました、どうぞ!」

ノノミちゃんとヒフミちゃんがテーブルの上に二つのホールケーキを並べた。
ショートケーキとチョコレートの2種類だ。
どっちも凄く美味しそう。

「じゃあ切り分けますよー」

アヤネちゃんがケーキを切り分けていく。
そのままパーティーは楽しく進んでいった。
ヒナもホシノと一緒に中心にいて、楽し気に会話していて目の保養だ。
ふと視線を向けると、もう一人のシロコちゃんは輪から離れて様子を眺めていた。

「……シロコちゃん」

私は放っておけなくて、声をかけに行く。
もう一人のシロコちゃんは何処となく気まずそうだった。

「混ざらないの?」

「……私は本来ここにいない筈の存在だから」

このシロコちゃんは別次元からやってきた同一の存在。
色彩によって反転し、箱舟の力を使ってこの次元までやってきた。
……辛い出来事を経験したと聞いている。

「アビドスの皆に会えるのは嬉しい。……けれど、失った人たちは帰ってこない」

前に会った時と比べれば目に光は戻っているが、寂しげな雰囲気はある。
自分だけ楽しんでしまっていいのかと思っていそうな……少しだけこのシロコちゃんの気持ちがわかる気がする。

「……私もね。ここにいない筈の存在なんだ」

「え……?」

「一度は消えたいとも思った。それでもやっぱりここに居たいと願ったから、私はここにいる」

シロコちゃんのように別次元の存在でもなんでもない。
たまたま雷が落ちて沼から出来たスワンプマン。
恐らく私は別次元には存在していないのだろう。
シロコちゃんは私の事を知らなかったから。

「シロコちゃんが少しでもここにいたいと思うなら、それだけでいいんじゃないかな」

そんな難しい事は考えなくていい。
私は私のままでいいんだと、ユメ先輩や友達の皆が教えてくれた。

「……カタリ、まるで先生みたい」

「あはは、そうかな」

先生の『器』だからという所もあるのかも。
この『器』としての力が人の役に立つのなら、とても嬉しい。
きっと私の中にいる先生もそう思ってくれるだろう。

「さ、シロコちゃんもあの中に入ろう?私も一緒に行くからさ」

「……うん」

生まれた日というもの3