…………私のミスでした。
この世界は、何処にも影響を与えない世界。
貴方はこのキヴォトスにおいて『先生』ではありません。
大人として責任を負う事も出来ず、何処にでもいる普通のキヴォトスの生徒として振る舞う事しか出来ないんです。
……先生にとっては辛い世界かもしれません。
先生、わざわざ来てくださったのにこういう事を言うのは気が引けますが……生徒としての役割を演じるのが難しいのであれば、引き返して貰っても構いません。
この世界は、いずれ消える泡沫の夢のような世界ですから。
貴方が関わっても、関わらなくても……『青春の物語』には何も影響はないんです。
……もしそれでも、この世界に関わりたいと思ってくれるのであれば……このまま先へ進んでください。
先生は私とのやり取りを忘れてしまうと思いますが───どうか、彼女との対話を楽しんでくれたら幸いです。
───願わくば、この物語の行き着く先が、捻れて歪んだ結末でない事を───
始まりの物語