名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~


「カタリ!」

ジュンコはカタリテラーの正面に立ち塞がった。
すぐさま瓦礫がジュンコ目掛けて射出される。

「わっ、とっ」

思い切り走って瓦礫をかわしていく。
足の速さを活かして可能な限りカタリテラーの注意を引く。
それがハルナからの指示だった。

「ちょっ、きっついわね!」

瓦礫は早く、油断すれば直撃する。
一部の瓦礫は射出される前にイズミやヒナ、アルが撃ち落としてくれるがそれでも多い。
俊足のジュンコだからこそ避けれていた。

「ふふっ、お見事ですわねジュンコさん」

「ちょっとハルナ!これいつまで避ければいいの!?」

「体力が続く限りですわ」

ハルナが何を考えているかはわからないが、ジュンコは言う通りに動く。
ヒナとアルも何か策があると察したのか、ジュンコを守るように援護している。
その様子をアカリは陰で観察していた。
射出される瓦礫を注意深く見続ける。
そして、沼から瓦礫が出る瞬間。

「……今!スペシャルな一発、いきます!」

アカリがグレネードを瓦礫に撃ち込んだ。
カタリテラーの前で爆発が起こり、爆煙が辺りを包み込む。

「いきますわよ、フウカさん!」

「任せて!」

アカリが狙ったのは瓦礫が出る瞬間であり、カタリテラーが沼に補充した瓦礫が無くなる瞬間。
瓦礫の形を見続け、沼に飲まれた最後の瓦礫が出るのを待っていた。
まとめて瓦礫を砕き、攻撃までの隙を作る目的。
その隙で車を使い、一気に接近する。

「何をするつもり……!?」

その様子を見ていたヒナは驚きを隠せなかった。
車で突っ込んでも沼に飲まれるだけ。
しかし、それ以上に驚く事がこの後に起きるのをヒナはまだ知らない。

「……ハルナ!」

「ええ!」

沼のギリギリでドリフトし、後輪部分を振る。
その遠心力で、勢いよく荷台にいるハルナは跳んだ。
空中で態勢を整え、ハルナはカタリテラーの前に着地をした。
着地と同時、沼に足を飲まれる。
しかし、それを気にせずハルナはカタリテラーの肩を掴んだ。

「カタリさん、ハルナですわ。共にゲヘナへ戻りませんか?」

カタリテラーはハルナの呼びかけに応えない。

「こんな事が貴女のやりたかった事なのですか?」

ハルナの膝下まで沼に飲まれる。
しかし、カタリテラーは何も反応を示さない。

「……貴女は、全てを捨てられる程軽い物しか持ってなかったのですか?」

夢を描いた魔法後編6