名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~


あの後、シミコから外の世界の情報を定期的に貰っていた。
結果的にミカさんは退学を避ける事が出来たらしい。
新しい代表が決まったらティーパーティーからは抜ける事になる。
やった事を考えれば奇跡だ。

私はその事を聞いて安心した。
大事な友達ともう会えないかと思ってたから。
落ち着いたらミカさんもきっと古書館に来てくれるだろう。



しかしミカさんは古書館に中々来なかった。
その間にシスターフッドの経典を復元したり、ヒナタさんと仲良くなったり。
色々な事があった。

……それでも、彼女はまだ姿を見せない。
私はミカさんが好きだった子を本棚から取り出した。
内容は覚えているが、改めて目を通してみる。
文章が読みやすく、子供にも理解しやすい。
魔女がお姫様を攫って、王子様が助けにくる。
よくある御伽噺だ。

そういえば、ミカさんは今魔女と呼ばれている。
彼女は悪い人ではないのに。
少なくとも私が話した時のミカさんは違った。
彼女が語っていた『皆と仲良くしたい』という夢は嘘だとは思えない。

……魔女が全部悪いという訳ではないけど。
色んな物語で良い魔女はいくらでも出てくる。
だけど御伽噺が好きなミカさんにとって、『魔女』というのは悪い者の象徴なのだろう。

私は悩んでいた。
ミカさんがここに来ないのなら、無理に会う必要はないのかもしれない。
彼女が自分の意思でここに来ないと選択しているのだから。

『ううん、嬉しい!私もウイちゃんの事大事な友達だと思ってるからね』

ミカさんの言葉を思い出す。
……ああ、駄目だ。
あの時の嬉しそうな顔が忘れられない。
私が感じた胸の高鳴りを忘れる事が出来ない。
出来ればもう一度、古書館に来てほしい。
もしかしたら、彼女は私の事をもう忘れてるのかもしれないですけど。

しかし彼女に連絡する方法がない。
モモトークのアドレス交換もしてなかった。
直接声をかけにいくなんてハードルが高すぎる。
そうなると、方法は一つしかない。
私はスマホを取り出して、モモトークを起動した。

『先生、お願いしたい事があるのですがよろしいでしょうか』

古書館の出会い6