名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~


その後、全員の避難誘導は終わった。
私は現場に戻って状況を確認しに行くと、メイドカフェがあったビルは爆破されていた。
たぶんハルカちゃんが勢いでやったのだろう。
そんな事を考えてるとモモトークに通知がきた。
確認すると、カヨコからだ。
現場から少し離れた路地裏に来て欲しいとの事なので、私はすぐに向かう事にした。



「……ああ、待ってたよ」

指定された場所につくとカヨコが待っていた。
後ろにアルちゃんやムツキちゃん、ハルカちゃんもいる。
アルちゃんはこちらを見ると微笑み、ムツキちゃんは笑顔で手を振り、ハルカちゃんは何度もお辞儀している。

「あのメイドカフェの事知ってたの?」

「依頼があったんだよ。ぼったくりのメイドカフェから金を取り戻してほしいって」

やっぱりそうなんだ。
カヨコの様子に違和感はあったけど、納得した。

「お金を取る前に爆発しちゃったけどねっ!」

「す、すみませんすみません!」

やっぱりハルカちゃんが爆破したのか。
私達が避難した後に戦闘の流れでやったのだろう。

「いいのよハルカ。依頼は失敗だけれど依頼人は潰した事を喜んでいたもの」

アルちゃんはフォローするように声をかける。

「アルちゃん、依頼料半分払うって言われたのに断っちゃったんだよね~」

「当然でしょう!お金は取り戻してないんだから、半額でも貰う訳にはいかないわ!」

アルちゃんらしい決断だ。
お金に結構困ってる筈なのに……

「……じゃあメイドカフェに来てくれたのは依頼のためなんだ」

ちょっと残念だった。
カヨコが理由もなくメイドカフェに来るのは不思議だったけど。

「ごめん、色んなイベントに付き合わせちゃって」

「……カタリ、これ」

カヨコが私にある物を差し出してきた。
それはさっきメイドカフェで撮った写真。
私とカヨコでハートマークを作っているものだ。

「サイン、くれるんでしょ?」

「え……?」

「大事な思い出だからさ」

カヨコは照れくさそうにそう言った。
これはスタッフルームにあった筈だけど……
もしかして、わざわざ取りに行ってくれたの?

「……いいよっ!」

私は写真を貰い、メイド服に入れていたペンを取り出す。
そして写真に可愛らしいサインを記入した。

「はいっ、どうぞお嬢様!」

「ありがと……大切にするから」

カヨコはスマホカバーに写真をしまった。
私にとっても大切な思い出になるだろう。
カヨコが私の写真を大切にしてくれるだけでもう嬉しすぎる。

「またメイドカフェでバイトした時は来てね」

「それはちょっと……」

「いいじゃーん、便利屋の皆で行こうよ~♪」

「息抜きにはいいかもしれないわね」

「わ、私なんかも行っていいんです……?」

「勿論だよ!なんならハルカちゃんにもメイド服着せたいなぁ~」


その後は便利屋の皆と談笑を楽しんだ。
色んな騒動があったが、今日の事もいい思い出となるだろう。
こうやって皆ともっと思い出を作っていきたいな。


『一日だけのお嬢様』~fin~
一日だけのお嬢様8