名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~


「ご主人様、ジャンケン大会の時間ですよー!」

「「「イエーイ!!」」」

カヨコの食器を下げた後、私はステージの上でマイクを持っていた。
このメイドカフェのイベントの一つ、ジャンケン大会。
利用しているご主人様と代表のメイドでジャンケンして、最後に一人残った人がメイドとツーショットを撮れるというものである。

「今日は入ったばっかですが、私『リータ』がご主人様のお相手をしますねー!」

「「「かわいいー!」」」

「えへへ、ありがとー!」

私は笑顔で手を振りながら、チラッとカヨコの方を見る。
カヨコは呆れながらも参加してくれるようだ。
食事の後にお願いしまくった甲斐があった。

「じゃあいきますよー!じゃんけん、ポン!」



何回かじゃんけんを繰り返した後、最終的に残ったのはカヨコだった。
打合せしてないので、完全な偶然である。

「おめでとうございます、お嬢様!」

「……ありがと」

「ほらほら、こっち寄ってください!」

私はカヨコの肩を抱く。
そして片手でハートマークを作った。

「お嬢様もお願いします♪」

「……はぁ、わかったよ」

カヨコは私の強引さに呆れているのだろう。
でも付き合ってくれるからカヨコは優しい。
カヨコも同じようにハートマークを作って、私の手と合わせてくれる。

「はーい、撮りますねー!」

私と同じくバイトのメイドが写真を撮ってくれた。
カヨコの分は勿論だけど、私も写真もらおうっと。

「えへへ、後で現像してサインも書きますね」

「サインも書くんだ?」

「はい、思い出ですから」

私はカヨコを席までエスコートする。
めちゃくちゃレアな写真が撮れて嬉しい。

「ありがとねカヨコ、付き合ってくれて。嫌じゃなかった?」

「……本当は来るつもりなかったけどね」

「あ、やっぱり」

「でも、カタリのおかげで退屈はしてないよ」

カヨコは微笑んだ。
その笑みは作っているものじゃない。
それだけで安心だ。

「ん……ちょっと電話してくる」

「アルちゃんとか?」

「まぁそんな所」

私はスマホを持ったカヨコを見送り、ホールを軽く見回る事にした。

一日だけのお嬢様5