雑居ビルの4階。
メイドカフェがあるのはそこだ。
私はカヨコを連れてエレベーターに乗り、4階を目指す。
「……ここってメイドカフェ以外はお店ないんだね」
「そういえばそうだね。一応他の階には会社入ってるみたいだけど」
「他の階行った事あるの?」
「面接の時にスーツ姿の人とエレベーターで一緒になった事があっただけ」
そんな事を話していると4階に着いた。
カヨコと一緒に降りて、正面にある扉を開く。
「お帰りなさいませ、お嬢様!」
入口の近くにいたメイドが一礼する。
私は軽く会釈した後、カヨコを席まで案内する。
「お嬢様、こちらへどうぞ」
カヨコを窓際の席に案内する。
「意外とメイドさんいるんだね」
「そうだね、時給もいいし儲かってるんじゃないかな」
「……そうなんだ」
カヨコはそれだけ言ってメニューに目を通す。
少し考える素振りをした後、メニューを閉じた。
「決まった?」
「……いや、決まらないからカタリのおススメにして」
「じゃあオムライスとカフェラテでいい?」
「いいよ」
「わかりましたお嬢様、少々お待ちください」
私は厨房に向かっていく。
カヨコは先ほどから周りの様子を伺っているようだ。
メイドカフェなんて初めてだろうし落ち着かないのかな。
今日は楽しんでもらわないとね。
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