名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~

結論から言うと、ホシノ救出作戦は成功した。
私はヒナや風紀委員会と共にカイザーとの戦いに専念し、救出はアビドスの娘達に全て任せた。
私が今更友人面して迎えに行くのはなんか違うし。

これは後で聞いた話だが、私達以外にも便利屋と何故かトリニティも作戦に参加してたらしい。
たまたま近くで砲撃演習をしていただけ、という体にはなっているが、明らかに作戦の手助けだろう。
その辺りの詳しい事情はわからないが、これも全てシャーレの先生の手腕があったから実現したと思われる。

まだアビドスの問題は解決してないが、ホシノを救えただけでも良かった。
きっとあの娘達ならアビドス再興の夢を叶えてくれるだろう。



それで今、私は何をしているかというと。

"シャーレにようこそ"

先生の元にやってきていた。
シャーレに来るのは初めてだが、色んな施設があるみたいだ。
カフェにコンビニ、ゲームセンターまである。
私が通されたのはシャーレの部室である。
ソファに腰掛けると、先生がお茶を出してくれた。

"相談って何かな"

そう、今回の私の目的は相談。
今のホシノを知っている先生にしか相談出来ない事である。

「ええと……実は私元々はアビドスに所属してまして」

ホシノとは同級生であること。
ある事をきっかけに転校したこと。
今はゲヘナの風紀委員会に所属している事を簡潔に説明する。
ユメ先輩の事については伏せた。
先輩の死については今回の相談に関係ないし、あまり口に出したくなかったからだ。
口に出せば嫌でもその現実と向き合わなくてはいけないから。

「───それで、ホシノに直接会って謝りたいんですけど、勇気が出なくてですね……」

"ホシノは優しいから、きっと君の気持ちも理解してるよ"

"転校した事を責めたりは絶対にしない"

私が知っている頃のホシノも確かに優しかった。
言葉がきつい事はあったが、全て私たちの事を思って忠告してくれていた。

「私もホシノはいい娘だと思います。でも私は……」

ホシノが一番辛かったであろう時に、私一人だけ逃げてしまった。
そう言おうとした所で、シャーレのインターホンが鳴った。
来客だろうか。

"ごめん、ちょっと待ってて"

先生はインターホンに向かう。
ボタンを押すと、来客の声が聞こえた。

『先生、来たよ〜』

…………何か聞き覚えのある声が聞こえてきた。
いや、気の所為かもしれない。
私が知っている声よりのんびりした声だし。

"今鍵開けるよ"

『ありがと〜、じゃあ入るね』

インターホンの通話が終わり、先生が戻ってくる。
私は恐る恐る聞いてみた。

「あの……来客ですか?」

私の問いに、先生は少し困ったような顔で笑う。

"実はね……今日の当番、ホシノなんだ"

えっ。
…………えっ、何で?
ホシノが、当番?
私が直接会う勇気がないと、相談したばかりなのに?

ここに至るまで8