名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~

ゲヘナ学園に転校してから約二年が経った。
あれから命の危機を感じるような事は特に無く───銃撃戦や温泉開発、美食研究会などに巻き込まれたりしたが───元気に学園生活を過ごせている。

風紀委員会という治安維持組織に入り、毎日奔走しているおかげで余計な事を考える暇もなかった。
私が出来る事など、本命が来るまでの時間稼ぎくらいだが。
それでも役目を果たせていると実感があり、楽しかった。


そんなある日、学園の外にいる便利屋68……あの陸八魔アルが率いるアウトロー達を捕まえる仕事が入った。
委員会である空崎ヒナはどうやら同行しないらしい。
便利屋が相手ならいてほしかったが仕方ないか。
私はいつも通り時間稼ぎに専念するだけ。
風紀委員会に集合した後、便利屋68がいる地域へと向かった。



───誤算だった。
最初はゲヘナ学園外で活動する程度の認識だったが、今は歩みを進める度に嫌な汗が流れてくる。
それもそうだ、風紀委員会が向かってる場所は私がかつて見捨てた場所───アビドスの敷地内だったからだ。
ここで戦うという事はアビドス、つまりホシノが参戦してくる可能性が高い。
2年前でもあれだけ強かった彼女ならば、風紀委員会では相手にならないだろう。
ヒナがいればまだ戦いになるかもしれないけれど。
ヒナがいないのはこれが行政官の独断だったからか。

私は納得しながらスマホを取り出し、ヒナ宛にモモトークを送る。
連絡先は転校してすぐに交換済みだ。
最初はその雰囲気に少し怯んだけど、ホシノと接した事のある私にとっては可愛いものだ。
怖かったの雰囲気だけで実際話してみたら真面目な優しい子だったし。
とりあえず状況だけ送ってみると、返事はすぐに返ってきた。

『連絡ありがとう、すぐ行く』

頼もしい言葉である。
これで便利屋だけなら負けない。
問題はホシノだ。
戦闘面もそうだが……逃げた負い目で顔を合わせ辛い。
もういっそのこと体調不良でサボろうか。
そんな事を考えていたら、遠くで爆発が起きた。

ここに至るまで4