名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~

その後、学園まで戻ってホシノと軽く会話したのは覚えているが、それ以降の記憶がない。
気が付いたら家のベッドに腰掛けていた。
多分ホシノが気を利かせて、少し休むよう言ってくれたんだと思う。

私はベッドに横になる。
溜まっている疲れを取る為に目を瞑った。

しかし、あの光景が脳裏に焼き付いている。
普段は優しくおっとりした彼女が、ただの物言わぬ肉塊になっている姿が。
ホシノのあの辛そうな顔が。
頭にこびりついて離れない。


「……うぷっ……」

口を押さえ、トイレに駆け込む。
胃から逆流した物を便器に全て吐き出して、吐き気が収まった。

「うっ、うう……ううぅうう……!」

ようやく吐き気が収まったと思ったら、今度は涙が止まらなくなった。
怖い。怖い。怖い。

私はなんとなく楽観的だった。
アビドスの借金もいつか返して、復興出来る日が来るんだと考えていた。
ユメ先輩がいたから。
あの太陽のような人がいるからこそ、私は希望を持ち続けられたんだ。
でも、もう彼女はいない。
彼女の死で、私の希望は絶望へと反転する。

───このままアビドスにいたら、私もいつか───

最悪の未来を想像する。
自分がユメ先輩のように死ぬ未来を。
ああ、本当に最悪だ。
私はあれだけお世話になったユメ先輩の意思を継ごうともせず、自分の事ばかり考えている。
まだホシノもいるのに、自分だけ助かろうとしている。
本当に、最低だ。

でも私は……私には、命を賭ける程の覚悟はない。
学園復興よりも、命の方が大切なんだ。
ユメ先輩や、ホシノのようには振る舞えない。

私には何の取り柄も、ないのだから。

ここに至るまで2