名前:小鳥遊 ホシノ

連邦生徒会を43回襲撃したくなった

いいねぇ~

ホシノは心配して捜していたが、私は気楽に考えて借金返済の為に何処かでバイトでもしているのかと思った。
1週間も姿を見せなかったから流石におかしいと思い、私も本格的に捜し始めた。
聞き込みやユメ先輩がいそうな場所を捜し続けても、手がかりは見つからない。
最悪の可能性が頭を過ったが、私は考えないようにしていた。

ユメ先輩を探しに、アビドスの敷地内を二人で走り回って何日が経っただろう。
敷地内は非常に広い為、中々見つからず体力だけが削られていく。
ユメ先輩が失踪してから33日後、私達はついにそれを見つけた。

「ああ……ここに居たんですね」

私の前を突き進んでいたホシノが足を止め、呟く。
先輩が見付かったのか、と私も急いで追い付き、それを見た。

「ユメ先輩」

確かに探していた物はそこにあった。
変わり果てた姿。
あれは先輩ではなく、先輩だった何かでしかない。
かろうじて人の形を保っているそれは、生きていないと一目でわかった。

「……どうして、こんな事に」

私の呟きに、ホシノは答えなかった。
ホシノは遺体を背負い、ユメ先輩が愛用していたシールドも担ぐ。
すぐに私の所まで戻ってきた。

「戻りましょう」

「ホシノ、私も持つよ」

ホシノは首を振る。
その瞳に力は無い。

「貴女も体力が限界でしょう。無理はしないでください」

ホシノの言う通りだ。
砂漠化が進んでいて、なおかつ広大なアビドスの敷地を走り回り、私は既に体力の限界に達していた。
これ以上消耗すれば私も死ぬ可能性がある、とホシノは言いたいのだろう。
何より、現状で私まで倒れてはホシノも巻き添えになる可能性が高い。
もし私が倒れれば恐らく、ホシノは私も背負おうとするからだ。
今私達が倒れても、誰も助けに来てくれないのに。

「一旦学園まで戻って、今後どうするか決めましょうか」

私は頷き、ホシノの後に続いた。

ここに至るまで1