名前:佐野万次郎

マイキーの頭を181回なでなでした

もふもふ

とりあえずオレ、じーちゃんに聞いてくるワ。
アンタは入り口で待っててくれる?
すぐ戻るからさ。


(道場に着くや否や一人で奥に行ってしまった真一郎を見送り、あなたはまじまじと道場の中を観察する。一面に敷かれた柔らかな緑の畳に、赤いラインが何本も走っていて圧巻だ。今は練習の時間なのだろう、二人組の子供たちが投げられたり組み合っていたりしているのをぼんやりと眺めながら、大きく息を吐いて目を閉じた)

(……万次郎に会いたいがあまりに何も考えずに此処へ来てしまったが、これで良かったのだろうか?)

(もう少し慎重に行動したほうが後々動きやすかったかもしれない、と自分に呆れつつ、ぐいぐいと引かれる服の裾に気付いて目線を斜め下にずらす)




あ、やっと気づいた!
……アンタだれ? フシンシャ??
ツーホーすんぞ!!


(得意げにこちらへと指をさして宣う小さな子供に、再び涙腺が壊れてしまったのは言うまでもなかった)
(……一生の不覚だ)