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(──それだけを叫んで、震える足を必死に動かして走る)
(言いたいことは山ほどあった。でも、今ではない、と思った)
(歯を食いしばり、涙を流しながらも走り続ける。……もし迎えに来てくれなかったら。そう思うだけで胸が痛くて苦しい)
(……その時は、今度こそ佐野くんの家に行こう。勘違いさせてゴメンと、何度でも頭を下げて謝ろう。怖いからと逃げるのも終わりだ)
(佐野くんと、仲直りがしたい。また佐野くんの笑顔が見たい)
(駆けて、駆けて、駆けて。───十字路の信号を渡ろうとして)
(ドン、と強い衝撃が襲い───そのまま目の前が真っ暗になった)
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