(…………。しばらく歩き回ったが、イザナの姿は見当たらない。匂いはあるが、そこまで強くない。さっきまでは居たようだが、どうやら出かけているらしい。鶴蝶の匂いも薄いので、おそらくイザナに着いて行ったのだろう)
(あなたはガックリと頭を落とし、玄関へと戻ってきた。……何故か自分の後ろをついてきていた兄弟も、「やっと終わったかー」と笑いながらソファに座り残ったピザを食べている)
竜胆「おいオマエ、オレに何か言うことねーの?」
(ニヤニヤ笑いながら大口でピザを食べている竜胆に、「わん」と一言礼を言った。蘭はついてくるだけだったが、竜胆は丁寧にも部屋のドアを開けてくれたので。頼んではいないが、助かったのには間違いない。意外と面倒見がいいらしい)
竜胆「ブハッ、マジで礼言ってんじゃん。可愛げあるわーワンコロ♡」
蘭「オレにはねぇの?ポメちゃんよー」
(しゃがんで覗き込んでくる蘭をスルーしていると、「生意気ー」と頭をつんつん小突かれた。蘭には世話になっていない。それどころか竜胆が部屋を開けてくれるたびに「勝手に人の部屋覗くとかスケベ犬だなー」などと言われたので心外であった。何も好きで家探ししているわけではない。こちらには事情があるのである)
(容赦なくつつき回してくる蘭に甘噛みでもしてやろうかと迷っていると、外からバイクの排気音が聞こえてくる。あなたは咄嗟に耳を立て、匂いを嗅ぐ。──間違いない!駆け出そうと四つ足で立ち上がったところで、ドアを開けた弟が不思議そうな顔をして首を傾げた)

? なんで犬???
うおっ、犬!?
まさかオマエら……拾ってきたのか!?
世話できねーだろうが!どうすんだコレ!?→