(──その日、あなたは夢を見た)
「これからもずっと……オレと一緒に居てくれる?」
(そう言って差し出されたバラの花束を受け取る。中学を卒業した万次郎からの初めての贈り物だった)
(幸せそうに微笑む万次郎は誰にも負けないぐらいに綺麗で、つい目を奪われてしまう。彼の左手の薬指には昔プレゼントした指輪が光っていて、あなたは嬉しさのあまり、花束を片手に万次郎を強く抱き締めた)
「○○さん。……オレ、ずっとアンタを愛してる。この先なにがあっても絶対。……アンタのことだけを想い続けるよ」
(「だからオレが18になったら結婚してね」。照れくさそうに笑う万次郎に──きっとこれは現実になる。なんとなく、そう思った)