(今日は授業の一環でボランティア作業を行うらしい。担任から渡されたゴミ袋を手に、あなたを含むクラスメイト全員で、制服のまま街中へと繰り出していた)
(よく見れば意外といろんなところに空き缶やタバコの吸い殻が落ちている。実に嘆かわしいことだ。溜息を吐きながらも、せっせと拾ったゴミを袋の中へと詰めていく。……今日の授業は今後の内申に響くらしい。しっかり作業することにしよう)
(同じ班のクラスメイトと愚痴を溢し合いながら、手当たり次第にゴミを拾う。完全に地面と睨めっこしている状態がしばらく続き──ふと、クラスメイトの驚いた声に、俯いていた顔を上げた)

(先を歩く万次郎はこちらに気付いていないらしく、隣にいる友人と楽しそうに話している。まさかこんなところで出会うとは思わなかった。あなたが無言で見つめている間にも、二人の背中はどんどん遠ざかっていく)
(……隣にいるイラスメイトは、ガクガクと脚を震わせて真っ青になっている。もしかしたら万次郎と昔なにかあったのかもしれない。あなたは気付かないフリをして、ゴミ拾いを再開することにした。……人騒がせな幼馴染である)
先生から「ボーっとするな」と名指しでどやされるあ、手が滑った(うっかり火ばさみを落とす)