薫「あっ、お茶は結構です…それよりお話をしましょう」
私は家の中に入れてもらい、導かれるままにソファーへと座る
何か飲み物でもと言われたけどのんびりとお茶を飲みゆったりとお話をするつもりは無い
薫「…。」
きっと今の私は態度だけではなく、顔にも心情が現れているんだろうなぁ…。
さて…どう切り出したらいいものか…。
例えば、例えばの話しだけど、詩織ちゃんが自身の父親に恋をしていたとしても大きな問題にはならない
片親であることも考えれば、寂しい思いから依存している可能性もある
そーゆう問題であれば少しずつ焦らずに諭すように時間をかけていけばいずれ熱は冷めるものだし、仲が良い事自体は悪いことではない
問題は、大問題なのはこの二人が既に恋仲であり、親子の関係を超えていた場合だ
ただ、その証拠は無い
詩織ちゃんはお父さんのことが好きだと言うこと自体は隠してはいないけれどあくまでも娘として人一倍父親のことが好きだと言う範囲に留めている
肝心なところは上手く隠したりぼかしている
だが綻びはいつかは出てしまうものだ
私は聞いてしまった…。
【体育祭の時】、人影の無い教室の中で男女が唇を交わす音を…。
私は見てしまった…。
恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに教室を後にする詩織ちゃんとこの男の姿を…。
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