薫「詩織ちゃんのお父様ですか?」
薫「突然の訪問申し訳ありません、私は詩織ちゃんの担任をしている瀬名薫と申します」
薫「今日は詩織ちゃんのことでお話があってお伺い致しました」
私は瀬名薫(せな かおる)
とあることが気がかりでこの男、いえ、詩織ちゃんのお父様に会いに来た
私は詩織ちゃんが1年生の頃から担任を任されていて、以前から詩織ちゃんが自分のお父さんと仲が良いことは噂に聞いていた
この年頃にもなれば自分の親、ましてや父親に理由もなく嫌悪感を抱いたりするのが何ら不思議ではない
だと言うのに詩織ちゃんはお父さんのことが大好きで、仲が良いことは微笑ましいと最初は思っていた
しかし…あまりにも仲が良すぎる…。
片親で家事全般は詩織ちゃんが担当しているとは聞いている、それでも学校外での友達との付き合いはほぼ皆無と言っても良い
学校が終わった後の同級生からのお遊びのお誘いだけではなく、休日でのお誘いも何かと家でやることがあると理由を述べては断っている
詩織ちゃんは当たり障りなく明るく優しい性格だからそれを理由に友達との関係が疎遠になったりすることは無いけれど…。
最初は家庭内暴力を疑った…しかし、詩織ちゃんの父親へ対する好意的な態度は演技で装えるものではない
そう…どちらかと言えば、あの態度は、父親を慕う娘と言うよりは一人の男性に恋する乙女だ
薫「と、良ければ中に入れて貰えないでしょうか?」
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