(今日の夢にMはいなかった。

かわりに繁華街をひとり、歩いていた。

いつか友人と歩いたことのある街だ。すれ違う人々はいるものの、話しかけてくる様子もない。

薄々気づいてはいたが、Mが夢に出てくる時に他に人は居ない。

いつもふたりだけの空間。

ダラダラと映画を見たり、漫画を読んだり、ゲームをしたり

そのくらい。

昼間、Mは何をして誰と過ごしているのかも、知らない。)

「名前?」


手を誰かに掴まれた
捕まった